オオタカの狩り
三月初めの夕暮れ前の時刻、たまに訪れるビオトープの上空を30羽程のハトの群れがいつになく慌てふためいた様子で飛び回っていました。急いで群れが飛び去った方向に様子見に行ってみると、広い田んぼの中ほどにハトより大きめの野鳥が一羽降り立っています。田んぼに近づいてみるとそれはオオタカ(英名;Northern Goshawk、体長 ♂47-52p、♀53-59p)でした。体の上面が濃い青灰色で光彩が橙色に見えるところから雄と思われます。
どうやら先ほどのハトの群れの中から一羽を狩って抑え込んでいるようです。
一羽のハトが仲間と勘違いしたのかオオタカのすぐそばに舞い降りてきましたが、すぐにオオタカと気が付き大慌てで逃げ出していきました。
オオタカの獲物を狙ってカラスが近づいてくるとものすごい形相と大きな鳴き声でカラスを威嚇します。オオタカの怖さを知っているのかカラスたちはその後は遠巻きに様子を見ているだけでした。
邪魔が入らなくなるとオオタカは夢中になって食べ始めました。こちらも田んぼの中を数歩ずつよく見える位置に移動しながらシャッターを切ります。
オオタカが食べている近くのあぜ道を犬を連れて散歩する人が通りかかっても一向に気にかける様子はありません。
オオタカが食べ始めて30分ほどが過ぎました。よく見るととオオタカのお腹(砂のう)がとても大きく膨らんできています。
さすがにお腹がいっぱいになったのか夕暮れが近づいてきたためなのか、食べるのをやめて食べかけの獲物を片方の足で掴みました。
やおら飛び上がってねぐらのある森のほうに去って行きました。
つぼみの膨らんだ桜にやってきたコゲラ
3月下旬、つぼみが大きく膨らんだ桜の木の間をコゲラ(英名;Japanese Pygmy Woodpecker、体長 15p)が忙しく飛び回って採餌しています。桃色に色づいたつぼみのそばにやって来るところを狙ってパチリ。
コゲラが何を食べているのかはっきりはわかりませんが、孵化直前の虫の卵か孵化したばかりの小さな虫ではないかと思います。
後頭部に何枚かの赤い羽をつけているこちらはオスです。キツツキ類のオスはみな頭頂部が赤くなっていますがコゲラのオスの赤い部分は見えないこともあるくらい小さく控えめです。
それでもこの日見かけたオスのコゲラは頭部の赤い羽がよく目立っていました。恋の季節が近いためでしょうか。
恋の行方は?
3月下旬から4月、あちこちでカワセミたちが恋の季節を迎えています。
(ケース1)上の写真は二羽のオスに迫られて悩む風情のメスのカワセミです。
こちらはそのメスをめぐって争う二羽のオスです。
オス二羽が並んで相手をけん制し合っています。
お目当てのメス(真ん中)を挟んで二羽のオスはどちらも一歩も譲りません。話し合い?の結末はどうなったことでしょうか?
(ケース2)
こちらは昨年の枯れ枝が残る蓮池で右側のメスに猛烈アピールの接近を試みるオスのカワセミです。
想いが通じて左側のメスに愛の印のエサの小魚を受け取ってもらうところのオス(右側)です。
メスがオスのプレゼントの魚を受け取ってこれでめでたくカップル成立です。うまく子育てができるとよいですね。
花に囲まれご機嫌のヒヨドリ
甘党のヒヨドリは蜜をたくさん食べられる春が大好きです。満開の梅林はヒヨドリにとっては桃源郷ですね。
たくさんの花を付けた梅の小枝に止まって慎重に花の中にくちばしを入れるヒヨドリ。
たくさん咲いていた花も2週間のするとすっかり少なくなります。枝の先端の食べごろの花を食べるのはなかなか大変のようです。
梅の花に続いて次は桜が咲き始めます。
満開の桜の蜜を堪能したヒヨドリ、嘴が花粉で黄色になっています。
お腹が一杯になると今度は水浴びです。「ああ、気持ちよかった!」
春の草地で目立つオスのキジ
春になると河川敷の草地や畑の中でテリトリーを見回るオスのキジ(英名;Common Pheasant、体長♂81p〜♀58p)を目にします。
普段は用心深く草むらに隠れて暮らしているキジですが、恋の季節の今頃はほかのオスに自分のテリトリーをアピールするため盛んに「ケン、ケーン」と鳴きながらほろ打ちします。
時には大胆に散策路のすぐそばまで出てきてテリトリーを主張します。こんな時は絶好のシャッターチャンスです。
草の茂みの中でじっと立ち止まってあたりの様子を伺っているキジにピントを合わせて、・・・ 「パチリ」
農道の奥にいるキジも、・・・ 「ハイッ、パチリ」(シャッタースピードは1250分の1秒に設定)
蓮池にやってきたゴイサギの家族
ゴイサギ(英名;Black-crowned Night Heron、体長 57p)は春になると東南アジア方面から渡ってきて日本でも繁殖します。
夜行性の鳥ですがこの日は空腹だったのか日中から盛んにエサを探し回っていました。
獲物のいそうな場所に移動するゴイサギ。
アトリのお花見?
沼のほとりの桜の花の中ですっかり夏羽に変わったアトリ(英名;Brambling、体長16p)を見つけました。アトリは冬鳥ですが5月初めごろまでは春先のごちそうを食べて体力をつけてからシベリア方面に渡っていくようです。
アトリたちは花がお目当てではなく桜に付いた小さな虫を食べていました。
もう繁殖のお相手が決まっているカップルもいるようです。
花びらのお風呂は大人気でシメやスズメたちも入れ替わりやってきての混浴です。
市内の沼に立ち寄ったアメリカヒドリ
今年都内の公園に来ていると聞いていたアメリカヒドリ(英名;American Wigeon、体長48p)のオスが一羽近くの沼にやってきて数日滞在しました。上の写真の真ん中の個体です。一緒に泳いでいるのはヒドリガモのオス(右側)とメスです・
よく見られるヒドリガモ(英名;Eurasian Wigeon、体長 49p)はシベリアや北欧で繁殖し、アメリカヒドリはアラスカやカナダなどで繁殖します。少数のアメリカヒドリは日本にも冬鳥としてきているようですが埼玉では珍しいことです。
アメリカヒドリの特徴は目のあたりから後頭部にかけて緑色をしていて、嘴の基部から頭頂部にかけて白く見えることです。
アメリカヒドリにメスのヒドリガモが一緒に泳ぎながら採餌していました。
コクムドリがやってきた
4月半ばごろ近くの川の堤防の桜並木にコムクドリ(英名;Chestnut-cheeked Starling、体長 19p)が集まってきました。花が散って若葉が芽吹き始めたところに発生している小さな虫がお目当てです。
ボルネオなどで冬を過ごし、北海道やカラフト方面で繁殖する夏鳥です。頭部の薄いクリーム色の中にくっきりと丸い黒色の目が印象的です。背中の濃い紫色や紺色が目立つのがオスです。
全体的に灰褐色の薄い色合いで優しい感じのするのがメスです。
こちらはペアのようです。メスが羽繕いするのをオスが見守っています。
こちらのペアはクルミの新芽についている虫を食べに来たところです。背景の黄色は菜の花です。
オオヨシキリの鳴き声に夏の予感
休耕田の葦原に今年もオオヨシキリ(英名;Oriental Reed Warbler、体長 18p)がやってきました。
メスの気を引こうとあちこち飛び回ってアピールするオス(と思われる個体)。オオヨシキリは雌雄同色で識別はむつかしいですが、・・・。
中でも背の高そうな葦の葉につかまって口を大きく開けて鳴くオオヨシキリ。
からし菜の花を入れて構図を取りました。
アマサギの舞う田んぼ
田植えをする頃にやってくるシギ・チドリに逢いに行ったところアマサギ(英名;Cattle Egret、体長 50p)と出会いました。
急ぎ足で仲間のところに向かうアマサギ。
二羽が重なったところをデジタルテレコンで拡大して撮影しました。
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