この秋、作者の写真歴で初めて撮影できた野鳥のご紹介(初撮1)オニアジサシ
(1)最初はまれな旅鳥として日本にやってくるオニアジサシ(英名;Caspian Tern、体長 48-56p)です。今年の10月に船橋三番瀬に一羽やってきたとの情報をいただいて出かけてみました。潮が引いて現れた砂浜にオニアジサシを見つけて早速シャッターを切りました。中央付近の頭の一部が黒く、くちばしの赤いのがオニアジサシです。その右側の頭から背中の羽は黒く、くちばしが赤い鳥は三番瀬でよく見かけるミヤコドリです。
オニアジサシはしばらくすると飛び立ってはるか沖の方に行ってしまいました。
潮の引いた干潟を奥の方に歩いていくとカメラマンが集まっています。近寄ってみるとオニアジサシがユリカモメやウミネコの群れの中で休んでいました。沖で魚を食べて帰ってきたようです。
オニアジサシは南アメリカを除く欧州、中央アジア、アフリカなどの熱帯から温帯で繁殖するとWikipediaには説明があります。
辺りにいたウミネコが飛び去った後にはオニアジサシとミヤコドリが残っています。
そしてミヤコドリたちが飛び立つと一緒にオニアジサシも飛んでいきました。この写真ではオニアジサシの脚が黒いのがよくわかります。
(初撮2)珍鳥コモンシギが間近にお目見え
小山市の田んぼに迷鳥のコモンシギ(英名;Buff-breasted Sandpiper、体長 19p)がやってきていると教えていただき会いに行きました。一日目はエサを食べ終わってどこかに飛んで行ってしまった後で残念なことに会えませんでした。二日目はたくさんのカメラマンと一緒に待っているとすぐ目の前の水張した水田に飛んできてエサ取りをしてくれました。
ちょっと立ち止まって当たりの様子を伺うコモンシギ。なんだかひょうきんな顔立ちで親しみを感じますね。
コモンシギは北米などの北極海沿岸で繁殖して冬季は南米大西洋側に渡る渡り鳥ですが、まれに秋に日本に飛来するそうです。
おなかが膨れたのか小休止して体を伸ばすコモンシギです。
(初撮3)思いがけず撮影できたアメリカウズラシギ
コモンシギを待っていると見慣れないシギが一羽、トウネンに混じって採餌していました。こちらは数少ない旅鳥のアメリカウズラシギ(英名;Pectoral Sandpiper、体長22p)です。思いがけず初めて撮影する鳥に2種類も会えた幸運な1日となりました。
アメリカウズラシギも繁殖地は北極海沿岸です。ひょっとしてコモンシギと一緒にこちらにきたのかも。
おなかが膨れるとトウネンたちと一緒に草陰に身を寄せるアメリカウズラシギ。
(初撮4)夜行性のヨタカ
これまでなかなかお目にかかれなかったヨタカ(英名;Jungle Nightjar、体長 29p)でしたが、11月初旬北本市の公園を訪れると園内で出会ったカメラマンにしばらく前からヨタカが逗留していると教えていただき会うことができました。東南アジア方面への渡り途中で立ち寄りのようです。
ヨタカは夜行性で、昼間は大木の横枝の上でこの写真のように眠っていてほとんど動きません。小枝や木の葉が邪魔になってとてもきれいには写せませんでした。
子供のころには夏の夜に里山の方から「キョキョキョキョキョキョ…」とヨタカの鳴き声が聞こえてきたりしましたが、今では絶滅危惧U類に分類されすっかり数が減ってしまいました。
画像を拡大していただくとよくわかりますが、ヨタカの嘴はとても小さいものです。夕方から夜になるとタカと見間違えるほどカッコよく飛行しながら大きく口を開けて空中を飛ぶ蛾や昆虫を捕食するのだそうです。
近年の里山の荒廃や田んぼでの農薬使用により昆虫類が激減したことでヨタカの生活環境が消滅してしまったようです。また東南アジアの経済発展や都市化の進行もヨタカにとっては厳しいものになっているのでしょうか。ヨタカに会って自然環境の大きな変化に改めて思いを巡らせました。
(初撮5)長居しているオオハシシギ
11月、時おり行ってみる市内の沼の一角にカメラマンが集まっていました。様子をお伺いすると、まれな旅鳥のオオハシシギ(英名;Long-billed Dowitcher、体長 27-30p)が二羽水辺で休んでいてしばらく動かないのだとのお話です。ちょっと羽繕いを始めたところを狙ってシャッターを切りました。 撮影地;川越市
時々何かの気配を感じるのか長いくちばしを出して辺りを見回したりします。
コサギが休んでいるオオハシシギの頭のすぐ上をかすめるように飛んでくると素早く水面に身を伏せて避けました。
コガモの群れと一緒に飛ぶオオハシシギ。淡水域を好むオオハシシギ、エサも豊富なこの沼でどうやら越冬の構えです。
(初撮6)シベリアから越冬しにやってくるオオヒシクイ
11月中旬、シベリア方面から越冬のためやってきたオオヒシクイ(英名;Taiga Bean Goose、体長 95p)に出会えました。塒にほど近い田んぼで採餌しているところです。 撮影地;上越市
まだ薄暗い早朝、塒の朝日池から餌場を目指して飛び立つオオヒシクイ。
餌場に向かって飛ぶオオヒシクイの小群。
(傑作選1)利根大堰のアオサギとコサギ
大量の水が流れ落ちる淵を見つめるアオサギ(英名;Grey Heron、体長 93p)。
画面いっぱいに羽を広げたコサギ(英名;Little Egret、体長 61p)。
流木の枝の場所争いをするコサギ。
急流の中で採餌するカワウ(英名;Great Cormorant、体長 81p)。
ウズラシギの暮らす田んぼ
車のすぐ前に現れたウズラシギ(英名;Sharp-tailed Sandpiper、体長 17-22p) 撮影地;小山市
冬羽のヒバリシギ
水張した田んぼで採餌するヒバリシギ(英名;Long-toed Stint、体長 14p)を見つけました。
画像を拡大してみていただくと英語名の通り第三趾(中指)がとても長いのがわかります。
熱心に餌を探すヒバリシギ。
緑の新芽を食べるオオバン
沼の水位が下がって現れた地面に芽吹いた草を食べにやってきたオオバン(英名;Eurasian Coot、体長 36-39p)。撮影地;川越市
先を争って新芽を食べるオオバンの群れ。
11月中旬の晴れた朝、いつも行く沼にカンムリカイツブリ(英名;Great Crested Grebe、体長 56p)がやってきていました。
(傑作選2)強風で波立つ沼の水際はシギたちの絶好の採餌場
打ち寄せる波を見つめながら何かを待っているようなセイタカシギ(英名;Black-winged Stilt、体長 37p)の家族。撮影地;川越市
アオアシシギ(英名;Common Greenshank、体長 35p)も打ち寄せる波をじっと見つめています。
ツルシギ(英名;Spotted Redshank、体長 32p)も波を見つめています。
突然チュウダイサギ(英名;Eastem Great Egret、体長 84-94p)がツルシギのすぐ脇に舞い降りてきました。
嘴を水に差し入れてエサ取りするアオアシシギ。
どうやらシギたちは波に乗ってやってきた小魚の群れを狙い撃ちして食べているようです。
セイタカシギも負けずと小魚を追います。
チュウダイサギも負けてはいません。
(傑作選3)秋の野山で撮った野鳥たち
公園にやってきた赤色型ツツドリ(英名;Oriental Cuckoo、体長 32p ♀)。撮影地;さいたま市
ススキの穂に止ったホウジロ(英名;Meadow Bunting、体長 16.5p)。撮影地;所沢市
採餌するメジロ(英名;Japanese White-eye、体長 12p)。
セイタカアワダチソウの花に止ったスズメ(英名;Eurasian Sparrow、体長 14-15p)。
ススキの原っぱで採餌するノビタキ(英名;Common Stonechat、体長 13p)。
ネコジャラシの実を食べに来たヒバリ(英名;Eurasian Skylark、体長 17p)。
若いハシブトガラス(英名;Large-billed Crow、体長 57p)。
好物のエゴノキにやってきたヤマガラ(英名;Varied Tit、体長 14p)。撮影地;狭山市
10月末、公園の池にやってきたマガモ(英名;Mallard、体長 59p ♂)。
季節外れの新緑に包まれた田んぼにやってきたツグミ(英名;Dusky Thrush、体長 24p)。撮影地;野田市
陽光を浴びてきらびやかな羽になるホシムクドリ(英名;Common Starling、体長 22p)。
採餌しながら時々辺りを警戒するホシムクドリ。赤い脚がチャームポイント?
餌場から飛び去るホシムクドリ。
11月半ば過ぎ、米どころの広い田んぼにマガン(英名;Greater White-fronted Goose、体長 72p)の群れを見つけました。撮影地;上越市
(傑作選4)三番瀬の水鳥達、早朝のオバシギ
薄暗い潮の引き出した海岸で休んでいたオバシギ(英名;Great Knot、体長 27p)の群れが一斉に沖の方を向きました。餌場に向かう時が来たようです。
意を決して飛び立つオバシギの群れ。
朝日が高く昇ってきても採餌を続けるオバシギ。
浜を闊歩しながら採餌するオオソリハシシギ
上向きに反り返った長いくちばしが自慢のオオソリハシシギ(英名;Bar-tailed Godwit、体長 37-41p)。 撮影地;船橋市 10月下旬
間近で観察できたトウネン
砂浜でじっとしているとトウネン(英名;Rufous-necked Stint、体長 15p)が採餌しながら近寄ってきました。
早朝の砂浜のトウネンはとてもフレンドリーでした。
おなかの白いハマシギ
10月下旬、浜にはおなかの白い冬羽のハマシギ(英名;Dunlin、体長 21p)がたくさんいました。
おなかの黒くまだ夏羽が残っているハマシギ。
浜の常連ミユビシギ
群れで更新しながら採餌するミユビシギ(英名;Sanderling、体長 19p)。
群れ飛ぶミユビシギ。
ダイゼンの狩り
早朝の浜辺で餌を探すダイゼン(英名;Grey Plover、体長 29p)に出会いました。
好物のゴカイを捕らえました。
飛翔すると白さが際立つミヤコドリ
赤いくちばし、黒い頭と背中、白いお腹のコントラストが際立つミヤコドリ(英名;Oystercatcher、体長 45p)。
この浜辺は春には潮干狩りを楽しむ人でにぎわいます。
秋はミヤコドリが主役?ですね。
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