もうすぐ巣立つアオゲラ
夏になると多くの野鳥たちは子育てをします。この夏遭遇した野鳥たちの子育て場面を順次ご紹介します。最初はたまたま見つけた駐車場の近くの大きな杉の木で子育てしているアオゲラ(英名;Japanese Green Woodpecker、体長 29p)です。巣穴の子供の声に応えながら親鳥がエサを運んできたところです。
お腹を空かせて親鳥の帰りを今や遅しと待っているヒナ鳥。
巣穴の前に止まってヒナ鳥を確認すると親鳥はお腹にグッグットと力を籠めます。
ヒナの食欲は旺盛で、親鳥は数回にわたってエサを吐き戻してヒナに給餌しました。
給餌が終わると親鳥は巣穴の周りを確認してから、またエサ取りのために飛び去っていきました。
親鳥がいなくなってしばらくすると巣穴からヒナ鳥が顔を出しました。キョッ、、、キョッ、、、キョッ と小さく鳴きながら親鳥の帰りを待っていました。
苦難の連続、カイツブリの子育て
この辺りでは「もぐりっちょ」と呼ばれているカイツブリ(英名;Little Grebe、体長 26p)が蓮沼の中で、流されてきた板材の上に営巣しました。巣を作った当初は道路から離れた場所でしたが、風に吹き寄せられて散歩する人の多い道路の脇まで近づいてしまいました。それでも板材の上の巣は安定性もよくとてもお気に入りのようでカイツブリの夫婦はこの場所で子育てを続けてくれました。毎日たくさんのカメラマンやバードウォッチャーに見守られて順調に卵を温めていました。
7月下旬にはとても暑い日が続きました。直射日光を浴びて巣の温度が上がると親鳥は立ち上がって羽を小刻みに震わせて扇風機のように卵に風を送って冷やしていました。
抱卵が始まってから3週間ほどたったある日、一羽のヒナが孵りました。
親鳥たちは残りの卵を温めつつ、ヒナには小さくて柔らかい川エビを給餌してかなり忙しく動き回ります。
暑さの厳しい昼下がりにはクーラー役です。
一瞬親鳥たちが巣を開けることもあります。一羽で心細そうなヒナ。
ヒナは小さくて体温を保てません。しばらく泳ぐと暖かい親鳥の背中の中に入ってお昼寝です。
数日後、カイツブリ一家を訪ねてみると二羽目のヒナが孵っていました。親鳥たちはかいがいしくヒナや卵を世話していました。
数日後、カイツブリ親子を見に行くと少し大きくなった2羽のヒナが留守番していました。でもこの前には3個あった卵が巣の中にありません。地元の人の話ではこの日の早朝に大きな蛇が巣を襲って卵をみんな飲んでしまったとのことでした。
カイツブリの両親は事件後も懸命にヒナたちの世話を続けていました。
親鳥の愛情に包まれてヒナたちはだんだんと成長していきました。
ヒナは夏の終わり頃には一人前のカイツブリに育つことでしょう。
子育てに奮闘するカルガモのお母さん
一年を通して田んぼや池でよく見かけるカルガモ(英名;Spoybill Duck、体長 61p)ですが、この時期注意して親鳥の近くをよく見ると、・・・。
いました、いました。小さな子供たちを連れたカルガモのお母さんです。成長してきた稲の若葉に隠れていますがヒナは全部で8羽ほどでしょうか。
お母さんに教えられながら食べられる草を見つけて食事をしていました。
早朝の駐車場脇の田んぼの畦には二羽のヒナを連れたカルガモのお母さんがいました。
カルガモのお母さんは写真を写しているこちらの様子を心配そうに睨んでいましたが、ヒナたちには大切な休憩時間をしっかり与えていました。おかげでとびっきりのかわいらしいヒナの表情を写し取ることができました。
なんと岸に上がると道路を横断して傍の田んぼに通じる水路に入っていきました。こちらは一番遅れて水路に入ろうとするヒナです。
道路横断の危険な移動を終えてホッと羽を伸ばすカルガモのお母さんです。
まだ飛べないオオヨシキリの幼鳥
すっかり花が終わってしまった蓮の葉の林の中を見え隠れしながら動き回っている小さな野鳥を見つけました。この顔かたちはどうもオオヨシキリ(英名;Oriental Great Reed Warbler、体長 18p)なのですが、・・・。尾羽がまだはえてこない様子で寸詰まりのコミカルな姿の幼鳥です。
蓮の葉の茎に止まってエサの昆虫を探すオオヨシキリの幼鳥。もう親の手助けはいらないのでしょうか。
枯れた蓮の種の入っていたシャワーヘッドに止まってしばらく羽繕いをしていました。
自力で虫を捕まえました。もう独り立ちしているようです。
オオヨシキリの幼鳥はひとしきり採餌してお腹がいっぱいになったようです。蓮池から出てきて生け垣を超え、道路を飛び歩いて葦の茂みの方に帰っていきました。
こちらは別な場所で撮影した、高い木の上によじ登ってテリトリー宣言しているオオヨシキリの成鳥です。
今年も巣立ったアオバズク
今年も神社の境内の大木の洞でアオバズク(英名;Brown Hark Owl、体長 29p)のツガイが営巣しました。今年は2羽のヒナが巣立ちました。写真はアオバズク一家、上の方の2羽がヒナ鳥、右下の二羽は親鳥です。多分右側の濃い茶色の方がオスと思われます。
アオバズクは夜行性で、昼間は大半を眠って過ごします。時々辺りの様子を伺うため目を開けますが一家の4羽がそろって目を開けるのはなかなかありません。何とかそれに近いところでシャッターを切りました。
それを見ていた一羽の子供とお父さんがつられる様に伸びをしました。
日もだんだんと傾いてきました。来年もここで子育てしてくれることを祈りながらアオバズク一家にサヨナラしてきました。
思いがけず出会ったアマサギ
ある日いつもの蓮沼に行ってみるとアマサギ(英名;Cattle Egret、体長 50p)が一羽、沼の中ほどの木柵に止まっていました。夏鳥のアマサギはコサギより一回り小さく、頭から首や胸の周りが黄橙色をしています。水田や草地で昆虫などを捕食しています。
大型のダイサギ(左側)やアオサギ(右側)と比べるととても小さく見えます。
ダイサギの群れが一斉に飛び立つとアマサギも彼らを追って飛び立ちました。
アマサギは蓮沼の上空を何回か旋回飛行をしてから飛び去りました。
家の前にやってきたオナガ
6月になると我が家の前の小さな森にはオナガ(英名;Azure-winged Magpie、体長 37p)の群れが採餌にやってきます。
公園のビワの木の下で落ちたビワの実を食べるオナガ。尾羽が長くて美しいですね。
常緑樹に付いていた昆虫を見つけて捕まえました。片足で一枚の葉っぱにつかまって身体を支えています。
なかなか会えないサンコウチョウ
青いくちばしと青色に光るアイリングのサンコウチョウ(英名;Black Paradise Flycatcher、体長 ♂45p、♀18p)。夏になると東南アジアから日本各地の森にやってきて繁殖します。鳴き声は「ツキ−、ヒー、ホシー、ホイホイホイホイ」一度聴いたら忘れられない特徴ある鳴き方です。月、日、星の三光鳥、名前の由来です。
日光があまり差し込まない森の中を飛び回って昆虫類を捕食します。光が不足していて撮影の難しいカメラマン泣かせの野鳥です。
オスのサンコウチョウは身体の1.5倍ほどの長い尾を持っています。でも、今回現れたオスは尾の短い個体でした。森の中でじっと待ち伏せしてサンコウチョウがやってくるのを待って撮影します。とても辛抱強くなりますね。
コアジサシがやってきた
今年も荒川沿いに海の方からコアジサシ(英名;Little Term、体長 24p)が蓮の咲く沼にやってきました。コアジサシは飛びながら水面近くの小魚に狙いをつけて飛び込んで捕食します。
クロハラアジサシもやってきた
別な日蓮沼を訪ねるとクロハラアジサシ(英名;Whiskered Term、体長 26p)が一羽来ていました。クロハラアジサシは嘴と脚が黒実のある赤色をしていて、黒い頭とお腹のまだら模様の黒色が特徴です。
なかなかの器量よしのクロハラアジサシ。得意げに羽を広げてはいポーズ!
魚捕りの腕前も達者なようですね。
蓮沼に逢引きに来たハジロクロハラアジサシ
この日は蓮沼で二羽のハジロクロハラアジサシ(英名;White-winged Black Term、体長 23p)が来ていました。頭から首やお腹がまっ黒でなかなか顔をはっきりと写すことができませんでした。
ハジロクロハラアジサシは雌雄同色ですが、恋の季節のこの時期、魚を捕ってきたのはオスのようです。
オスのハジロクロハラアジサシがメスに愛の印の魚を受け取ってもらいました。求愛が成立です。オスの得意そうな表情をもっと近くで見たかったです。
蓮池に暮らすカワセミ
古代ハスの咲く池に暮らすカワセミ(英名;Common Kingfisher、体長 17p)の生活ぶりをご紹介します。蓮の蕾に止まっているカワセミは今年生まれた若いオスです。蓮の林の中で一生懸命エサ取りの腕を磨いていました。
こちらはオスの成鳥、池に飛び込んで水中から飛びあがってきたところです。残念ながら狩りは失敗のようです。
ツガイのカワセミ二羽が蓮池の中を飛び回っていました。
池の中ほどにある人の近づかない出島の林でツガイのカワセミが横枝で並んでいるのを見つけました。
「・・・。」とても仲良しですね。
空中で停止しているような「ホバリング」をするカワセミ。止まり木のない所で水中の魚を狙うとき、このように空中にとどまりながら獲物を探します。
物思いにふけっているのかハスの実に止まって思案顔のカワセミ。
セイタカシギがくつろぐ沼
とても長い赤色の足を持つセイタカシギ(英名;Black-winged Stilt、体長 37p)の一家が沼にやってきてくつろいでいました。セイタカシギは姿かたちがとてもエレガントでカメラマンに人気の野鳥です。
同時に翼を開いたセイタカシギのツガイ。右側の翼の黒い方がオス、左側の翼が薄い褐色の方はメス。
こちらは親子のセイタカシギです。左側が足のピンク色が淡い幼鳥です。
実はセイタカシギの虹彩は真紅です。画像を拡大して確かめてください。
関連ページ
- さいたまの春2019
- ここでは2019年の春に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの冬2019
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地および県外に出かけて撮影した野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの秋2018
- ここでは作者の2018年の秋に住まいのある埼玉県内の探鳥地などで出会った美しい野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの夏2018
- ここでは2018年の夏、作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの春2018
- ここでは2018年の春に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの冬2018
- ここでは2017年12月から2018年2月に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの秋2017
- ここでは2017年の秋に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの夏2017
- ここでは2017年の夏に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの春2017
- ここでは今年の春に作者が住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの冬2017
- ここでは2016年12月から2017年2月の間に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの秋2016
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの夏2016
- ここでは2016年の夏、作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの春2016
- ここでは2016年春、作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの冬2016
- ここでは2016年の冬に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの秋2015
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で2015年の秋に出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの春2015
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で2015年の春に出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの冬2015
- ここでは2015年の冬に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの秋2014
- ここでは2014年の秋に作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの夏2014
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で2014年夏に出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの春2014
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの冬2014
- ここでは2013年12月から2014年2月の期間、作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの秋2013
- ここでは2013年秋に埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの夏2013
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの春2013
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの冬2013
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの秋2012
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。
- さいたまの夏2012
- ここでは作者の住まいのある埼玉県内の探鳥地あるいは自宅近くの小畔川で出会った野鳥たちの写真を掲載しています。