かわいいコゲラ
9月の撮影写真から秋と区分しているが、近年は秋を実感するのは10月の声を聞いてからの様な気がします。しかし、野鳥たちは9月には旅鳥たちが動き始め、次第に夏鳥と冬鳥が入れ替わる季節です。
ここではまず留鳥のかわいらしいコゲラ(英名;Japanese Pygmy Woodpecker)をご紹介します。コゲラは市街地でもよく見かけることがある小型のキツツキの仲間です。体長は15cm、小さくてもドラミングが得意で、鋭いくちばしで樹木に巣穴を空けたり虫を探し出します。日本と樺太、朝鮮半島北側から沿海州あたりだけに住んでします。
キツツキの仲間は大半オスが頭の部分に赤い羽根をつけています。コゲラのオスも頭の左右に一枚ずつ赤い羽根を持っていますが、なかなかこれを撮影することは難しいです。
木の枝をせわしなくあちこち飛び移りながら食べ物を探しますが、時に虫の卵などを見つけると、そこにとどまって撮影のチャンスをもらえることがあります。
朽ちかけた樹木の幹には好物の虫の幼虫が住んでいるため、キツツキの絶好のえさ場となります。
この鋭いくちばしに狙われた虫は、堅い樹皮の下に隠れていてもたちまち掘り出されてしまいます。
両足でがっちりと幹にしがみつくと同時に、尾羽の先端を木に押し当てて体をがっちりと固定して口ばしで樹皮をつつきます。
秋も深まった公園に、コゲラがマユミの実を食べにやってきました。
白い姿が優雅な白サギ
シラサギはダイサギ(英名;Great Egret、体長90p、夏鳥)、チュウサギ(英名;Intermediate Egret、体長68p、夏鳥)、コサギ(英名;Little Egret、体長61p、留鳥)の3種類あります。姿は白くてとても美しいのですが、鳴き声はガァー、ゴァーなどお世辞にも美声とは言えないやかましい声です。
写真は飛翔しているチュウサギ、サギ類は皆、飛んでいるとき首を縮めます。(ハクチョウやトキは首を伸ばして飛びます。)
チュウサギは池や川に住む小魚などを、狙いを澄まして畳んだ首をぱっと伸ばして口ばしを水中に差し込んで捕らえます。そのあとしっかり咥え直して上を向き、がばっと口を開いて喉の奥に獲物を放り込むようにして飲み込みます。
食事を終えて皆で集まってくつろいでいます。アオサギも交じって何を語らっているのでしょうか。
こちらはコサギの飛翔、コサギはくちばしが黒く足先が黄色です。(チュウサギ、ダイサギは反対にくちばしが黄色で足先は黒色です。)
飛翔するコサギの翼とお腹に水面の照り返しが当たってちょっと素敵なショットが撮れました。
コサギが小魚を捕まえてガバッと飲み込みました。
コサギがアオアシシギ(英名;Greenshank)と一緒に採餌しています。
折れた葦の横にたたずむコサギ、水面に映った葦が幾何学的な模様を描き出しました。
かわいいコチドリ
コチドリ(英名;Little Ringed Plover、体長16p)は本州では夏鳥として各地の干潟や河原で見られます。秋には冬羽に変わり黒味が薄くなるようです。金色のアイリングが特徴で、肉色の足指は三本です。
水辺や砂地を盛んに歩き回って小さな虫をさがして食べています。
歩く様子はちょっとコミカルですね。
オグロシギ(英名;Black-tailed Godwit)のエサ探しを見つめながら、じっとたたずむコチドリのツガイ。
水辺で虫を探しています。小さな足を細かく動かして意外に素早く移動していきます。
小さな虫を捕まえました。
オグロシギは体長38p、やや反り返った長いくちばしと長い足を持っています。くちばしの先と足、それに尾羽の先は黒色です。
夕日の中をエサ取りに忙しいオグロシギ。旅鳥のオグロシギはこの日初見でしたが、きれいな写真が撮れました。
間近のイソシギ
伊佐沼にヘラサギを見に行ったとき、腰を据えた場所の間近までイソシギ(英名;Common Sandpiper、体長20p)が、エサ取りしながら近づいてきてくれました。イソシギは留鳥で繁殖期以外は1羽で行動しています。河川や田んぼでユスリカや水生昆虫などを食べます。
上品なベージュ色の背羽に真っ白なお腹の羽毛がなかなかきれいでちょっと気品のあるな姿でしょう。
小魚を見つけました。お口に合うでしょうか。
中州に立ち止まって辺りをうかがっているところです。水面にイソシギの姿がきれいに映えています。
沼の中にある板壁て囲った島の板塀伝いに食べ物を探しています。
ハスの葉の上でくつろぐイソシギ。
コガモ到着
10月末、冬鳥の代表コガモ(英名;Green-winged Teal)がやってきました。この時期カモ類のオスたちは非生殖羽のためちょっと見にはメスとの区別がつけにくい状態です。これから秋が深まるにつれてオスはきれいな生殖羽に換羽していきます。
オスは一様に暗色で背央の三列風切羽が長いそうですが、見分けは難しいです。
念入りに水浴びをしていたコガモが大きく羽ばたきました。
自慢の脇腹部分の緑の羽根もしっかりと見えています。
ある日のノスリ
我が家の近くを流れる小畔川では時に留鳥のノスリ(英名;Common Buzzard)が現れて獲物を狙っている姿を見かけます。この日は河川標識の上に止まっていました。
ノスリの体長は55pとカラスほどの大きさです。タカ類一般にメスの方が若干大きです。今日であったノスリはお腹の部分が茶系の縦縞がありオスと思われます。
豪快に飛び立ってエサ探しに向かいます。
ノスリのエサはネズミやカエル、小鳥、昆虫類でカラスと競合するところがあります。エサ場ではカラスがノスリにちょっかいをかけてきます。子供のノスリはカラスに追われて困っていますが、大人になるとカラスを一睨みして追い払うことができます。
小高い草むらに止まっていて、何かを見つけました。
猛然と獲物に向かって飛び立ちます。
枯れ草ごと目標物を鷲掴みにして飛び上がり、電柱の上で獲物が獲れたか確かめているようです。しかし、どうやら狩は失敗したようです。
がっくりと肩を落とすノスリ君。
若きヘラサギの飛来
九州の一部で数羽が越冬するというヘラサギ(英名;White Spoonbill、体長86p)がなんと川越市の伊佐沼にやってきました。ヨーロッパ南部やアフリカ北部、モンゴルなどで繁殖していてオランダでは国鳥となっています。11月中旬ごろやってきた大変珍しい客人は新聞ニュースにもなって大勢のカメラマンが撮影に押しかけました。
羽の先の黒色の羽やへら状の口ばしが肉色であることから若い個体と思われます。成長すると羽は全部真っ白に、そして自慢のヘラ形のくちばしは黒ずんでくるのだそうです。
浅瀬に入って口ばしを水底に差し入れ首を左右に動かして水底を探りながら魚やエビ、カニなどを探します。
獲物を捕まえると顔をあげ口ばしを上に伸ばします。
同時にくちばしをぱっと開いて獲物を喉の奥に向けて放り込みます。
あっという間に飲み込むと次の獲物を求めて口ばしを水中に差し入れて左右に動かしながら進みます。
朝夕の食事時間以外は沼の中州に陣取って一本足になって口ばしを背中に差し込んで眠ります。時々足を交換したり、くちばしの位置を変えるだけでほとんど動きません。カメラマン泣かせの時間が長く続きます。
午後の時間を一本足で眠っていたヘラサギ君が伸びをしてようやくお目覚めです。
さあ捕まえるよ。
いただきまぁす。
お腹が膨れると余裕が出ます。立ち止まって「首が痒いよ!」
日が傾いてきました。ヘラサギの白い羽根が夕日に赤く染まってとてもきれいです。今日の食事はおしまいです。
スマートなセイタカシギ
セイタカシギ(英名;Black-winged Stilt)が突然視界に入ってきた。セイタカシギは旅鳥、体長37p、ピンク色の長い足に胸からお腹にかけて純白の羽、黒の口ばし、黒の頭、背中の花江色が遠目にも際立って見えます。初めて目にするとても美しい鳥です。暫くの間夢中でシャッターを切り続けました。
広げた黒い羽が青緑色の光沢を放っています。オスのセイタカシギと思われます。
エサの魚やエビ、カニなどを探しています。
沢山の種類の水鳥の中を臆せず颯爽として歩いています。
カワウ君がかっこよく歩くセイタカシギをうらやましそう?に見詰めています。
休んでいるヘラサギ君の傍もへっちゃらで通り過ぎます。
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