伊豆大島での野鳥との出会い
2017年6月、伊豆諸島に暮らす野鳥の生態調査のお手伝いで大島に行きました。野鳥の撮影は主目的ではありませんでしたが印象に残った写真をご紹介します。乗船した快速フェリーは大島の北側にある岡田港に入港しました。
オオルリが繁殖しているという場所を通りかかると早速親鳥たちが警戒して出てきました。上の写真はオオルリ(英名;Blue-and-white Flycatcher、体長 16cm)のメスです。
こちらは電線に止まって囀っていたオオルリ(♂)です。
生態調査中時々カラスバト(英名;Japanese Wood Pigeon、体長 40p)の声が聞こえていましたが警戒心が強くなかなか姿は見えませんでした。早朝の調査をしているとき大きく茂った木陰に一瞬何かが飛び込むのを見つけてそっと近づいていくとカラスバトのツガイが隠れていました。
日の出前の山道に二匹のイタチが出てきました。
島内にはたくさんのホウジロが生息してとても賑やかでした。
太古の昔の地殻変動でできた褶曲地層が見られました。
1986年三原山は大噴火して全島民が避難しましたが、当時真っ黒な噴石で覆われて砂漠化した山肌はかなりの部分に緑の植物が進出してきています。
SF映画に出てきたゴジラ(?)です。
利島の見える海岸。
岩場にいたイソヒヨドリ(英名;Blue Lock Thrush、体長 23p ♂)。
飛び立ちました。
沖合を飛ぶオオミズナギドリ(英名;Streaked Shearwater、体長 40p)の群れ。
伊豆半島の向こうには遠く富士山が望めます。
ブッポウソウが子育てする信州の町
今年も南の国から子育てにやってきたブッポウソウ(英名;Oriental Dollarbird、体長 30p)。人の生活するエリアのすぐそばで昆虫などを捕まえてヒナを育てています。
鋭い目つきで獲物を探します。
人家がブッポウソウの狩場のすぐそばにあるのです。ここにはトンボやセミ、コガネムシなどが暮らす豊かな環境があります。
「ゲゲッ、ゲゲ」と大きな口を開けて鳴くブッポソウ。
ブッポウソウの多忙な子育てはまだまだ続きます。
この町の草地に住むキジ
ブッポウソウの住む巣箱の近くで綺麗なキジ♂(英名;Common Pheasant、体長 81p)を見かけました。
草原に向かってテリトリーを主張するキジ♂。
鳥海山を訪ねた8月
8月のある日の明け方、イヌワシの姿を探して鳥海山を訪ねました。この日は残念ながらイヌワシは現れませんでしたが、絶好の天候に恵まれて庄内平野の彼方に月山を見渡せる絶景を写真に収めることができました。
いまだ雪渓の残る鳥海山。運が良ければこの景色の中にイヌワシが飛ぶのですが、・・・。
森から草地に出てきたクロツグミ(英名;Japanese Thrush、体長 22p)。
囀りが止んでしばらくするとクロツグミが大木の下に降りてきて採餌していました。
森の奥から聞こえてくる美声をたどっていくと幾重にも重なった葉のすき間に、囀っているクロツグミの姿を見つけました。
山を下りて市内の池を見に行くと散策路にハクセキレイ(英名;White Wagtail、体長 21p)の幼鳥が可愛らしく登場しました。
もう繁殖羽から冬羽に変わりつつありますがカンムリカイツブリは今年もこの池で子育てをしたのでしょうか。
蓮の葉の上で休むバン(Common Moorhen、体長 32p)の幼鳥です。
今年生まれたゴイサギ(英名;Blaack-crowned Night Heron、体長 57p)の兄弟。
こちらはゴイサギの親鳥。雌雄同色なので♂♀の判別はできません。
スイレンの花。
水を張った田んぼにやってきたシギチたち
8月半ば、シギ、チドリに詳しいバーダーの方から栃木県の水張した田んぼにオオジシギが飛来したという情報をいただきました。早速その翌日小雨混じりの天気の中を教えていただいたポイントに足を運びました。目指す水張りした田んぼの向こう側の畔の中に三羽ほどのオオジシギ(英名;Latham's Snipe 、体長 30p)が休んでいるのを見つけました。
オオジシギは夏になると北海道にやってきて繁殖します。子育てを終えて南方に移動する途中でここに立ち寄ったようです。オオジシギが飛び立った所を大急ぎで連写すると顔はよく見えませんが羽の色合いがわかる一枚が写っていました。
飛んでいるオオジシギ、こちらは顔もお腹の羽の色合いもよくわかります。
こちらはタシギ(英名;Snipe、体長 26p)です。冬の田んぼや湿地で越冬しているタシギを見かけることがあります。オオジシギととても良く似ていて共にジシギ(地鴫)類と呼ばれています。
水草の中にたたずむ夏鳥のチュウサギ(英名;Intermediate Egret、体長 68p)
タカブシギたちも立ち寄っていました
水草の浮いた田んぼで旅鳥のタカブシギ(英名;Wood Sandpiper、体長 20p)が水中に嘴を入れてエサ取りをしています。水生昆虫や甲殻類などを食べているのです。
「ピッ、ピピピッ」小声で仲間に呼びかけるタカブシギ。雌雄同色です。
一羽のタカブシギが水浴びをしています。
採餌するタカブシギの家族。
小さなヒバリシギ
タカブシギに混じって採餌する小さなシギを見つけました。旅鳥のヒバリシギ(英名;Long-toed Stint、体長 14p)です。繁殖地のシベリア方面から日本列島を縦断しながら南のく越冬地に向けて移動して行きます。
スズメと同じぐらいの大きさ、素早い動きでエサを探します。ちょっと目を離すとどこに行ったか判らなくなります。
タカブシギと並んでエサ取りするヒバリシギ(右側)。
こちらは田んぼの近くにある耕したばかりの畑にいたヒバリ(英名;Eurasian Skylark、体長 17p)です。
リスクを乗り越えて生きるアオバト
台風15号の荒波が押し寄せる大磯照ヶ崎にアオバト(英名;Japanese Wood Pigeon、体長 33p)を撮影しに行きました。
遥か太平洋上にある最低中心気圧 955hPa、最大風速 40mを記録した台風15号の影響で照ヶ崎に押し寄せる大波。
アオバトが海水を飲みにくる岩場洗う波頭。
最初に現れたのは二羽のハヤブサ(英名;Peregrine Falcon、体長 ♂42p ♀49p)。海水を飲みに来るアオバトを狙ってやってきたようです。
ハヤブサは海面近くを飛びながらアオバトの群れを待っています。
ハヤブサの飛ぶ照ヶ崎の岩場には危険を察知したのかなかなかアオバトはやってきません。浜にまずやってきたのはキョウジョシギ(英名;Ruddy Turnstone、体長 22p)の若鳥です。お腹がすいているのかしばらくの間浜辺の水際でエサを探し回っていました。
大波の打ち寄せる風景などを撮りながら待つこと一時間、ハヤブサの脅威がなくなったのを確認したのかようやくアオバトの群れがやってきました。
荒波が次々に押し寄せる岩場、なかなか降りることができないアオバトの群れ。
岩場に降りて大波に飲み込まれずに海水を飲むことができるのでしょうか。
波に飲み込まれる危険を冒しながら必死で海水を飲むアオバトの群れ。
アオバトの試練の時間は当分続きそうです。
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