魅力あふれる野鳥

台北、金門島の野鳥 その2

カワセミ科の珍鳥を訪ねて

カワセミ

金門島の二日目はツアーの眼玉のカワセミ科の珍鳥たちを探しました。今回のツアーは現地ガイド、通訳それに運転手も野鳥にとても詳しい方々であまり知られていない島のウォッチングポイントを狭い農道にまでマイクロバスで分け入って案内していただきました。その成果をご紹介します。

 

ヒメヤマセミのハンティング

ヒメヤマセミ
川縁を走るマイクロバスの車窓からホバリングしているヒメヤマセミ(英名;Pied Kingfisher、体長 25p)を見つけました。停車してくれたバスの窓からレンズを出して何とか撮影しました。

 


獲物に狙いをつけて急降下するヒメヤマセミ、ヒメヤマセミは水に飛び込む時はいつも太陽を背にしていて水中にいる魚からみつかりにくい工夫をしているのだそうです。

 

ヒメヤマセミ
獲物をくわえて水中から飛び出したヒメヤマセミ。台湾では金門島だけに生息するヒメヤマセミはアフリカ、中東そして南アジアなどにも分布しています。

 


得意げなヒメヤマセミ、小魚は必死にもがいています。

 

ヒメヤマセミ
こちらは筆者が日本国内で撮影したオスのヤマセミ(英名;Greater Pied Kingfisher、体長 38p)です。ヒメヤマセミよりもかなり大きいです。

 

小粋なアオショウビン

アオショウビン
焦げ茶色の頭にブルーの背中、ノドの部分が白色、なかなか小粋なアオショウビン(英名;White-throated Kingfisher、体長 25p)。遠くからでもよくわかりますが、近づくとたちまちに飛び去ってしまします。

 


アオショウビンは東南アジアや中東でもよく見られます。日本では南西諸島で迷鳥として観察されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


アオショウビンはホバリングはせずに小枝や石の上から魚やカエルなどの獲物に狙いをつけて飛び込みます。

 

 

 

 

 

 

 

遠くに見えたヤマショウビン

ヤマショウビン
ヤマショウビン(英名;Black-capped Kingfisher、体長 30p)は止まっているところや飛んでいる姿を何度か目にする機会がありましたが、相当に距離が離れていて残念ながら良い写真は撮影できませんでした。ヤマセミのようにブラインドに身を隠して近くに来てくれるのを待たないとダメなようです。

 


タカサゴモズ、黒色型も会えました

タカサゴモズ

タカサゴモズ(英名;Long-tailed Shrike、体長 24p)は金門島のあちこちで見かけました。日本にいるモズ(英名;Bull-headed Shrike)よりも4〜5p大きく雌雄同色です。中国南西部からマレー半島、インドなどに広く分布しています。

 


灰色の頭と黒く太い過眼線が特徴です。

 

タカサゴモズ黒色型

タカサゴモズ黒色型
タカサゴモズの遺伝子が変異したのか黒色型が少し混じっているようです。

 


この個体は背中や腹がうっすらと茶色が混じっています。

 


金門島で見た猛禽類

カタグロトビ

ベニバトの群れが採餌している草原の近くで、カタグロトビ(英名;Black-winged Kite、体長 33p)が樹上に止まっているのを見つけました。カタグロトビは東南アジア、インド、ヨーロッパ南部などに生息していて、日本では南西諸島などで迷鳥として記録されています。

 


ハイイロトビとも呼ばれて、白い頭と黒い肩羽が印象的な猛禽です。

 

ミサゴの獲物を狙うカササギ

ミサゴ
魚を掴んだミサゴ(英名;Osprey、体長♂54p、♀64p)をカササギ(英名;Eurasian Magpie、体長、45p)が横取りしようと追いかけています。

 


お腹を空かせているのでしょうか、カササギの追及はなかなかしつこいです。

 


用心深いアカガシラサギ

アカガシラサギ

一羽のアカガシラサギ(英名;Chinese Pond Heron、体長 45p)がため池の水際で採餌していました。アカガシラサギは用心深い性質のようで離れた場所からの撮影になりましたが、夏羽では赤褐色の頭の部分が茶褐色の地味な冬羽に替わっている様子は写し取ることができました。

 

アカガシラサギ
飛んでいるアカガシラサギ。

 


水辺にたたずむアカガシラサギ。

 


初めて見るクビワムクドリ

クビワムクドリ

首に黒色の襟巻をつけたようなクビワムクドリ(英名;Black-collared Staling、体長 28p)、樹上に止まっているところを撮影しました。クビワムクドリは台湾、中国南東部、東南アジアに生息しています。

 


雌雄同色で、目の周りの黄色の部分は羽毛がなく皮膚が露出しています。

 


冠羽のあるムクドリ、ハッカチョウ

ハッカチョウ

金門島内のあちこちに群れているハッカチョウ(英名;Cresuted Myna、体長24p)、英名の通り冠羽のあるムクドリ科の野鳥です。台湾や中国大陸南部、インドシナ半島に生息しています。日本では江戸時代に中国からハッカチョウを飼う習慣が持ち込まれて、花鳥図や陶磁器の図柄にもなりました。

 


ハッカチョウの脇腹の白斑は実は初列風切羽の付け根の白羽の一部で、飛んでいるときはくっきりと白色が見えます。

 

 

 

 

 

 

 

 


家族で木の実を食べていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


すぐ近くの樹上に来て止まったところを撮影しました。

 

ハッカチョウ
ハッカチョウの大群に占拠された水路沿いの木柵。

 


公園で歌っていたクロウタドリ

クロウタドリ

ツグミの仲間のクロウタドリ(英名;Common Blackbird、体長 28p)が生け垣の上で大きな良い声で歌っているのところを見つけ、間近で撮影しました。

 


歌いながら生け垣の黒色の実をちゃっかりつまんでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


日本では少数が南西諸島に旅鳥として見られます。中国東南部から中央アジア、ヨーロッパに広く生息しています。

 

 


金門植物園に暮らすエンビタイヨウチョウ

エンビタイヨウチョウ

金門植物園に行くと花をつけた植物のやぶの前にカメラマンが集まっていました。エンビタイヨウチョウ(英名;F0rk-tailed Sunbird、体長 9p)が花の蜜を吸いに来るのを狙っているのだそうです。エンビタイヨウチョウは中国大陸華南一帯では留鳥としてよく見られる野鳥ですが、台湾では見られませんが、金門植物園ではここ数年見られるのだそうです。

 


これはオスのエンビタイヨウチョウです。青緑色に輝く頭部分と赤色ののどの派手な羽色がメスにアピールするセールスポイントです。

 

 

 

 

 

 

 

 


メスは撮影できませんでしたが、定石通り全体が地味なウグイス色の羽色です。

 

移動途中の畑にいたタゲリ

タゲリ
タゲリは冬鳥として中国南東部、台湾そして日本の本州以南に渡来します。

 


金門島の野鳥、見納めはオオバンケン

オオバンケン

金門島最終日の朝、ナベコウのいる沼を再度訪れ、遠くにいるナベコウの家族を確認していると、突然沼の向こう岸をオオバンケン(英名;Greater Coucal、体長 53p)が急ぎ足で水辺を走って林の中に飛び込んでいきました。

 


一瞬のところでカメラのシャッターを切りましたが、かろうじて姿を写すことができた記念写真です。オオバンケンは中国南東部、金門島や東南アジアに生息しているカッコウ科の鳥です。虹彩は赤色ですがこの写真からはその色は識別がつきません。虹彩が暗褐色のバンケン(英名;Lesser Coucal、体長 38p)の可能性もありそうです。

 


以上で今回のツアーで撮影できた野鳥たちの報告は終わりです。

 

 


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